シードルと検索するとGoogleの関連ワードでシーボルトが出てくるという怪がありなぜかと考えてみました。
ちなみにシーボルトがシードルを長崎で製造していたとかそういうことはありません!!
シーボルトとは?
本名はフィリップ・フランツ・バルタザール・フォン・シーボルトといい、神聖ローマ帝国時代のドイツに生まれます。
日本の江戸時代です。
ちなみにシーボルトのスペルはSieboldですが、ドイツ語でSはザ行ですので、ジーボルトもしくはズィーボルトが現地発音に近いです。
軍医としてインドネシアを経由して1822年に鎖国政策を取っている日本の長崎に到着し、オランダが貿易を許されていた出島のオランダ商館軍医として着任します。
出島では診療所兼私塾「鳴滝塾」で多くの蘭学者を育てます。
ですが、本来ドイツ(現在のバイエルン州)で生まれたシーボルトの話すオランダ語は、日本人通辞(通訳)の話すオランダ語よりも頼りなかったそうです。
シーボルトは博物学者としての顔も持ち、植物の標本や関係地図、美術工芸品など数万点を収集、『日本』『日本植物誌』『日本動物誌』に結実した3部作で日本学の大家となります。
1828年の帰国の際にはシーボルト事件と呼ばれる船舶座礁が起こり、シーボルトが上述の3部作のために集めていた資料の他、国外持ち出しが禁じられていた日本の測量地図などを持っていることがわかりました。
少し後味の悪い形とはなりましたが、ヨーロッパにおける随一の日本通として、鎖国時代謎に包まれていた日本を紹介してくれた重要な人物です。
シーボルトとシードルの関係
シーボルトの鳴滝塾で蘭学医術(オランダ医学)を学んだ江戸時代の学者高野長英の訳した医学書に「ソーダ水は腎臓結石によい」との一文が見られることから、出島経由でソーダがもたらされている可能性が指摘されています。
実はオランダ語のsodaソーダは日本では後々サイダーと発音が変わりました。
なので高野長英の訳したこの一文はシードルを指していた可能性はとても低いです。
ちなみにラムネソーダといわれるラムネはもともとレモネードの発音が変わっていったもので、こちらは江戸幕府に開国を迫ったペリーがもたらしたものと言われています。
ただしペリーが持ち込んだものにはアルコールが含まれていたようですよ。
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